柏崎市議会全員協議会(東京電力HD(株)の説明)

10月8日、柏崎市議会全員協議会が開かれ、東京電力ホールディングス(株)より原子力規制委員会に提出した改善措置報告書について、以下の説明を受けました。

●柏崎刈羽原子力発電所のIDカード不正使用および核物質防護設備の機能の一部喪失にかかわる改善措置報告書について
●核物質防護に関わる不適合案件の公表方針について
●柏崎刈羽原子力発電所7号機の安全対策工事一部未完了を受けた総点検の取り組み状況について

柏崎市議会インターネット中継
http://www.kashiwazaki-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1409

内容は以下のように報道されています。

新潟日報 2021.10.9
「納得しない限り再稼働はない」
核防護不備で柏崎原発所長が決意

東京電力柏崎刈羽原発でテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備が相次いだ問題で、同原発の稲垣武之所長は8日、新潟県柏崎市議会全員協議会で「私自身が納得できない(組織の)変わり方では、再稼働はないと決意している」と述べた。

 稲垣氏は2011年の福島第1原発事故時、第1保全部長として現場で対応に当たった。「事故の恐ろしさは実感している」と振り返り、柏崎刈羽原発の改善を進める考えを示した。

 稲垣氏は常務執行役で、原子力部門のトップである原子力・立地本部長を兼ねる。柏崎刈羽原発では「所長として現場をグリップすることに注力する。安全面が不十分であるならば、本部長として小林喜光会長、小早川智明社長にタイムリーに進言し、対策を打つ」と語った。

 年度内にも県内に本社原子力部門の一部を移転させることについては、「(原子力・立地本部長を)サポートするスタッフは近々に柏崎刈羽原発内で仕事をする。順次、本社機能が地元に近づいていく形で実現するように検討を進めている」と語ったが、設置場所は検討中とした。
説明概要は「ニュースアトム臨時号(2021.10.10発行)」とほぼ同じでした。
https://www.tepco.co.jp/niigata_hq/communication/newsatom/2021/pdf/20211010n2.pdf
私自身は以下の質疑を行いました。

Q1
IDカード不正使用および核物質防護設備の機能の一部喪失にかかわる改善措置報告書において「リスク認識の弱さ」を課題としているが、運転停止期間の長期化によって危機感の薄れがあったのではないか。
改善措置においてOBや外部人材の登用にも言及されたが、リスク認識の弱さをカバーすることや、運転経験のない所員のスキルや意識の醸成につながるのか。 

A1
核物質防護の重要性は運転中でも停止中でも変わらぬものとして、リスク認識向上に努めたい。
また火災報知器の不適切設置は、判断を協力企業の消防設備士に一任していたことに起因し、運転経験を持たない社員も少なくない。OBや外部人材の登用により、所員も専門的な知見を身に着け、若手社員の経験不足を補いたい。

Q2
工事未完了、火災報知器不適切設置の背景には、一連の作業に異なる施行業者が数多く関わる状況がある。東京電力HD(株)社内だけでなく、協力企業も含めた発電所全体の組織改革が必要ではないか。

A2
協力企業と積極的にコミュニケーションを取り、工事の重要性や注意点を所長や幹部が伝え、共感していただける雰囲気を作っていきたい。社員だけでなく発電所で働く方々がマイ・プラント(自分の発電所)だという意識で働けるよう取り組みたい。 
厳しい声も多々ありますが、今後の「改善」を注視していきたいと思います。 

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